Columnコラム

汗のケア

汗は体温を調節するために欠かせないものですが、量や臭いに悩まされる方も多くいらっしゃいます。ここでは、汗の臭いの原因や日常でできるケア方法についてご紹介します。

汗、汗の臭いについて

多汗症とそのメカニズム

多汗症とは、日常生活を送るのに必要とされる以上の量の汗をかく状態のことで、日常生活に支障をきたすことがあります。例えば、書類を書いていると紙が汗で濡れてしまう、脇の汗のために視線が気になるなど、様々な場面で困ることがあります。

多汗症の治療としては、症状が軽い場合は、制汗剤の使用や生活習慣の改善などの方法があります。症状が重い場合は、外用薬(保険診療)やボトックス注射(自費診療)などの治療方法があります。

わきが(腋臭症)の特徴

わきが(腋臭症)は、アポクリン汗腺から出る汗が皮膚の常在菌によって分解されることで、独特の臭いが発生する状態です。アポクリン汗腺は耳や陰部などにもありますが、わきの下に最も多く分布しているため、わきがの臭いが特に気になりやすくなります。

汗の臭いを軽減するためのケア

ここからは、日常生活で簡単に取り入れられるケア方法をご紹介します。

デオドラント剤の正しい使い方

デオドラント剤を使用する際は、入浴後やシャワー後など、肌が清潔な状態で使用することが重要です。汗や皮脂が残っていると、デオドラント剤の有効成分が肌に浸透しにくくなり、効果が弱まってしまいます。清潔な肌に使用することで、有効成分がしっかりと汗腺に届き、効果的に臭いを抑えることができます。

デオドラント剤には、スプレータイプ、ロールオンタイプ、スティックタイプ、クリームタイプなど、さまざまな種類があります。それぞれのタイプには特徴があり、自分の肌質や好みに合わせて選ぶことが重要です。

例えば、スプレータイプは広範囲に塗布しやすい一方、揮発性が高いため、効果の持続時間が短い傾向があります。ロールオンタイプは液状で密着性が高いですが、乾くまでに時間がかかる場合があります。スティックタイプは固形で持ち運びに便利ですが、ムラになりやすいという欠点もあります。

生活習慣の見直し

日常生活における生活習慣も、汗の臭いに大きく影響します。食生活、睡眠、ストレスなど、普段の生活を見直すことで体臭を改善できる可能性があります。

食生活においては、肉類中心の食事は汗に含まれる脂肪酸の量を増やし、臭いを強くする可能性があります。バランスの良い食事を心がけ、野菜や果物を積極的に摂り入れるようにしましょう。野菜や果物には、抗酸化作用を持つビタミンCや、代謝を促進するビタミンB群などが豊富に含まれており、体臭の軽減に役立ちます。

十分な睡眠も重要です。睡眠不足はホルモンバランスを崩し、自律神経の働きを乱すことで、汗の分泌量を増やす原因となります。

ストレスも汗腺を刺激し、臭いを強くする可能性があります。ストレスを感じると、交感神経が活性化され、汗の分泌量が増加します。また、ストレスはホルモンバランスを崩し、皮脂の分泌を増加させる原因にもなります。適度な運動やリラックスする時間を取り入れるなど、ストレスを軽減する工夫をしましょう。

服の選び方と洗濯方法

服の素材や洗濯方法も、汗の臭い対策に重要な役割を果たします。適切な服選びと洗濯方法を実践することで、臭いを抑え、清潔な状態を保つことができます。

服を選ぶ際には、通気性の良い素材を選びましょう。綿や麻などの天然素材は、通気性が良く、汗を吸収しやすいのでおすすめです。化学繊維の服は、汗が蒸発しにくく、臭いがこもりやすくなります。通気性の良い素材は、汗を素早く吸収・発散させるため、細菌の繁殖を抑え、臭いの発生を防ぎます。

吸汗速乾素材も効果的です。スポーツウェアなどに使用される吸汗速乾素材は、汗を素早く吸収し、乾燥させるため、細菌の繁殖を抑え、臭いの発生を防ぐことで臭い対策に効果的です。

汗をかいた服は、放置すると雑菌が繁殖し、臭いの原因となります。汗をかいたら、できるだけ早く洗濯しましょう。洗濯後は、風通しの良い場所でしっかりと乾燥させましょう。生乾きの状態は、雑菌の繁殖を招き、臭いの原因となります。

多汗症の治療

多汗症は、日常生活に支障をきたすほどの発汗がみられる状態で、原発性局所多汗症に対しては保険適応の治療薬がいくつかあります。外用薬には、汗の分泌を抑える効果のあるエクロックゲルやラピフォートワイプがあり、日常的なケアに役立ちます。

また、当院では自費診療としてボトックス注射による治療も行っております。注射後はおよそ4〜9か月にわたり、発汗の抑制効果が期待できます。



星ノ華スキンクリニック星ヶ丘では、お一人ひとりの状態をしっかりと伺い、治療を行っております。お気軽にご相談ください。

参考文献

  • Liu V, Farshchian M, Potts GA. Management of Primary Focal Hyperhidrosis: An Algorithmic Approach. Journal of drugs in dermatology : JDD 20, no. 5 (2021): 523-528.

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