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多汗症とは

多汗症とは、必要以上に汗が出てしまい、日常生活に不便を感じる状態のことをいいます。

汗ジミが目立ちやすい服装を着る場面では、見た目が気になったり、人前に出ることが負担に感じられたりすることもあります。多汗症は、見た目だけでなく精神的な面にも影響しやすい症状です。

多汗症の原因

多汗症は、発汗の範囲によって「全身性多汗症」と「局所性多汗症」に、また、汗が出すぎる原因によって「原発性」と「続発性」に分類されます。
原発性多汗症は、特に明確な病気がなく、自律神経の働きが一時的に過剰になることで発汗が増えるタイプです。原発性局所性多汗症は、わき、手のひら、足の裏、顔、頭部など、体の一部に左右対称にあらわれるのが特徴で、緊張や不安などの精神的な刺激で汗が出やすくなる傾向があります。

一方、続発性多汗症は、発汗の背景に何らかの疾患や薬の影響があるケースです。甲状腺機能亢進症や褐色細胞腫などの内分泌疾患をはじめ、感染症、神経の病気、一部の薬剤などが原因となることがあります。全身または特定の部位に汗が増えることがあり、まずは原因を見極めたうえでの適切な対応が大切です。

わきがとは

わきが（腋臭症）とは、わきに特有のにおいが発生する状態を指します。アポクリン汗腺から分泌される汗自体にはにおいはありませんが、タンパク質や脂質を含んだ汗が皮膚の常在菌に分解されることで、におい物質が発生します。

においの感じ方には個人差が大きく、自覚が強い方の中には実際にはにおいがほとんど認められないケースもあります。症状の程度によっては精神的な状態が影響する場合もあり、正確な評価と診断が重要です。

わきがの治療には生活指導や制汗剤の使用、脱毛、手術などさまざまな方法がありますが、発汗を抑えることでにおいを軽減する治療も有効です。

わきがの原因

わきがの主な原因は、アポクリン汗腺から分泌される成分と、それを分解する皮膚常在菌の働きです。アポクリン汗腺は、わきのように毛が生えている部位に多く、分泌される汗には水分のほかに脂質やタンパク質、コレステロールなどが含まれています。これらは常在菌によって代謝されることで、”わきが”特有のにおいが発生します。

また、ストレスや緊張により交感神経が刺激されると、アポクリン腺やエクリン腺の働きが活発になり、発汗が増加することでにおいが強く感じられるようになることもあります。わきのにおいは、発汗量・皮脂の分泌・菌の数と種類・生活習慣など、さまざまな要因が複合的に関与して生じます。

当院の多汗症・わきがの治療

当院では、わきの多汗症およびわきがに対して、ボツリヌストキシン製剤（ボトックス、コアトックス）を用いた注射治療を行っています。

ボツリヌストキシンは、神経の末端に作用し、アセチルコリンという神経伝達物質の放出を抑えることで、汗腺の働きを抑制し発汗を減らす作用があります。治療の効果は、注射後およそ3日で現れ始め、4〜9か月程度持続します。

わき汗が気になる方はもちろん、発汗が抑えられることでにおいの軽減にもつながるため、わきがにお悩みの方にも効果が期待できる治療法です。

なお、原発性腋窩多汗症、原発性手掌多汗症に対しては、外用薬や内服薬による保険診療での治療も行っています。

当院の多汗症・わきが治療の特徴

当院では、患者様に安心して治療を受けていただけるよう、以下の体制を整えています

• 痛みに配慮した施術に取り組んでいます。
  非常に細い針を使用し、注射時の痛みを最小限に抑えられるよう心がけています。
  さらに、冷却や麻酔クリームを肌の状態やご希望に合わせて使い分け、リラックスして受けていただける環境づくりを大切にしています。
• 完全予約制・完全個室のプライベート空間で、他の方の目を気にすることなく、落ち着いてお過ごしいただけます。
• わき汗やにおいのお悩みに対し、医学的な根拠に基づいた治療をお一人ひとりの状態に合わせ行っています。